the way I am.

なぜかアルファベットのタイトルが続いています。英語がうまいわけではないのに妙に今の自分が表現したいニュアンスに、はまることがある。言葉って不思議です。まるで音楽のよう。ちょうど1年ほど前、私はある締切に追われて企画書を書き、スタジオを借りてバッハの録音をしていました。雨のざあざあ降りしきる中、屋根を叩きつける雨の音もきっと入っていたのだと思う。そのスタジオは私にとってはとても思い入れのあった場所。照明作家の佐々木秀明さんと最初に出会った場所です。ちょうど仕事の途中の空いた時間に寄ったギャラリーで開催していた小さな展示会でした。薄暗い照明に雫の滴る音。雫が落ちて広がる緩やかな波が反射される白い壁。それはまるで異空間でした。その時しずかにバッハの脈々と流れる旋律が私の中で浮かびました。作家の佐々木さんにチェロ弾いてみていいですか、と言ってバッハを弾いたその時の感覚を忘れることができずに何カ月か経ったある日、佐々木さんからメールが入り「釧路芸術館のこの企画に応募してみませんか」と言われて飛びついたのが昨年の8月に開催された『共振芸術空間2011佐々木秀明展+アート5』という企画展でした。本当に素晴らしい経験でした。音楽の在り方、自分の生き方、人とのつながり、色々なことを感じた1週間。演奏活動1年目にして、演奏家としての理想を見てしまった、という感じです。その後、実家では佐々木さんに、作品を我が家仕様にオーダーしてつい先日出来あがったので佐々木さんを交えて点灯式をしました(明かりを灯してお酒を飲んでごはん食べるだけ)!嬉しいことに、釧路でお世話になった学芸員さんがこの春札幌に転勤になったということでご一緒することができました。

釧路での記録集も出来あがりました。↓

ひとりで演奏活動をすること、自分の道を究めようと努力すること、同僚のいない働き方、仕事のために人と積極的に関わること。すべては、小さい頃の自分には想像できないことでした。ジュニアオーケストラでチェロとアンサンブルの楽しさに目覚めていつかはオーケストラに入りたいと東京芸大を目指し、学長の言う通り「1年目には希望、2年目には怠惰、3年目には焦り、4年目には諦め」の道を素直に辿り社会にポンと放り出された時の絶望感は今でもリアルに思い出せます。それから、音楽と共に自分がどう生きていきたいのかを模索して出したひとつの結論は留学でした。結論というか、「通り道」だったかもしれません。楽器さえ弾いていれば幸せなわけではない自分に最も大事だったことは、生活する環境(納豆とかお味噌汁・・)だと気付いたのは留学の時でしたが、音楽は自分の生きる術であることに変わりはなく、私にとっては「目的ではなく手段」である音楽でどんなことが出来るのかを試したくなりました。帰国後、この様に音楽活動をすることに対して、人がどう思うか、人がどう自分を見るかは有る程度想像して、覚悟はしていました。しかし、不自由ながらも私が今でもチェロを弾いていられるのは私に希望を与えてくれた留学時の先生のおかげであり、少なくても私を厳しい目でみながらも認めてくれる優しい人たちが周りにいてくれるからなんだと思っています。自分にはまだまだ余力があります。あと何回か絶望しても生きていられるくらいの余力は。。

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