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【blog】通奏低音奏法のワークショップを受講しました

2017.02.07

こんにちは。チェリストの中島杏子です。

先週末までいろいろと立て込んでおりブログを書く余裕がありませんでしたが、今朝ようやく落ち着きを取り戻しました・・。

 

さて、今日は忙しさの渦中で受けた通奏低音奏法ワークショップのお話をいたします。

札幌コダーイ合唱団創立40周年記念『 J.S.バッハ「マタイ受難曲」演奏会』が2017年3月26日kitaraで開催されるのですが、その関連事業の第2回が先日受講した『通奏低音奏法』のワークショップでした。

私が所属する札幌音楽家協議会が後援しており、お知らせをいただいたのが昨年の12月頃。
私が大学生だった頃から尊敬して、よく演奏を聴きに行っていた『古典四重奏団』の田崎瑞博さんが講師ということで、何も考えずに受講申し込みをしてワクワク待っておりました。

古典四重奏団の演奏を聴きに行くと、必ずチェロの田崎さんがお話をしてくださるのですが、そのお話がとても面白くて音楽の内容や作曲家のことを語る着眼点がもう私好みすぎる。

ということで、勢いで受講申し込み。
課題曲はバロック時代の作曲家、ヘンデル・バッハ・コレッリの『ヴァイオリンまたはフルートと通奏低音のためのソナタ』の中から1曲。

わたしは、技巧的であり色彩感があるヘンデルのヴァイオリンソナタを選びました。

この日のためのリハーサルは一切なし。当日、聴講者と先生の前でぶっつけ本番なわけです。
しかし、これは田崎先生の思惑だったようです。

まず、先生はワークショップの最初にこうお話されました。
「通奏低音とは、旋律を奏でる人が自然に気持ちよく表現できるための支えであるので、旋律奏者が弾きやすくなければならないんです」
そして、ご自身が演奏会で「今日のチェロ素晴らしかったですね!」と褒められたら「あぁ!なんということだ!通奏低音が目立っていたのか!!今日は失敗だった!」と思うのだそうで・・。

なんとも、通奏低音奏者のプライドを満たす感動の伝え方もむずかしいな、と思ったり。

 

そんなことで、札幌の音楽界のお偉い先生方、演奏家たちが勢揃いで聴いているという何ともたまらない緊張感の中でヘンデルを弾きはじめました。

 

演奏が終わった後、先生はヴァイオリニストにこう尋ねました。

「弾きやすかったですか?」

ヴァイオリニストはこう答えました。

「ええ・・(まぁ)」

先生はさらにこうおききになりました。

「少し、テンポが遅く感じたのではないですか?」

ヴァイオリニストは少し遠慮気味に「ちょっと・・」と答えました。

「初めのリハーサルではだいたいこのようなことが起きます。
テンポに関して、ヴァイオリニストにこんな感じ?とちょっと親切心をもって訊いてみたり。」

「もう少し、ヴァイオリンのテンポ感に寄り添って弾いてみましょうか」

などといいながら、少しずつ、アンサンブルでお互いに寄り添うということを実践していきました。

(のちに、私とヴァイオリニストの使用していた楽譜の版がちがって、私が使用したベーレンライター版では第1楽章をLarghettoと表記されておりヴァイオリニストが使用していたヘンレ版ではAndanteと書かれていたというオチがあり 笑)

先生は、和声が変わるたびに立ち止まってしまわずに、ひとつのフレーズをなるべく長くとるということや、特別な和声進行ではどこでフレーズを区切るのか、といったことを丁寧に解説してくださりました。

曲をどう作っていくかを通奏低音側からのアプローチで見るのは、低音楽器の奏者はいつも実践していることですが、聴講されていたヴァイオリン弾きさんやフルート吹きさんには面白い話だったのではないでしょうか(実際、聴講していた方は高音楽器を演奏する方、歌手の方が多かったです。)。

 

バロックとは「歪んだ真珠」という意味で、バロック音楽は拍子が自由に変化する(たとえ決まった拍子で書かれていてもさまざまな拍子に変化しているように聴こえたりする※ヴィヴァルディの四季がその例)ので、その辺りをわかりやすく表現するといい。

ひとつの文章をまずは言い切ってしまうように。

というようなことを、先生はおっしゃっていました。(ワークショップなので、私個人へのレッスンというよりは聴講者と奏者全員に対して実践できることをお話されていました。)

 

 

室内楽奏者として、いつも考えていること、実践していることの方向性を改めて確認した日でもありました。

 

「理論ばかりで頭でっかちな演奏は堅苦しくて面白くないから、感性で心地よい音楽をしたらそれが理にかなっていた、というのが一番いいよね」とワークショップ終了後のお話で先生がおっしゃっていたことが印象的でした。

 

 

 

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